根津昭一/明石縮(絹)・十日町

  


【越後縮布】
元播州明石藩士の堀次郎将俊(1620~1679)が、
1661年移住した麻布の地、越後で、
絹と麻で織られていた郷里の明石縮をヒントに考案。
小千谷縮はここに始まる。

緯糸に撚りをかけてできるシワが、独特の風合いを生み、
瞬く間に、魚沼地方の特産となった。
人々は、堀次郎を“明石様”と呼び敬ったという。

<明石縮>は、絹織物。
小千谷縮は、文化・文政時代(1804~18)に
生産量が10万反を超えたが、
天保の改革を境に急速に下降する。
その中で、十日町は縮布の技術を絹に生かし、
絹上布を生む。

やがて、武家政治が終わり、
支持基盤を失った麻織物は需要が激減するが、
すでに絹織物に切替えていた魚沼だけは、難を逃れ、
十日町は、絹織物の産地としての地位を確立して行く。



【プロフィール】


1927  新潟県十日町生まれ
  47  桐生高等工業応用化学科等
      (現群馬大学工学部)で、織物の基礎を学ぶ
  83  十日町絣・明石縮が伝統的工芸品に指定
      伝統工芸士
  93  商工業の振興への寄与に対し県より表彰
  98  伝統的工芸品産業の振興への寄与に対し
      国より表彰